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ISO9001-よくあるご質問

Q1 ISO9001 を取得済みの土木建設業です。現在当社は、「顧客(官庁)の設計図書に従い工事を施工するため、設計・開発は適用除外とする」として認証を受けています。 しかし、前回の定期審査で審査員から、適用除外が妥当か否かでいろいろと質問されました。自社では、どう考えれば良いかが分かりません。
A1 土木業のISO9001では、「7.3設計・開 発を」適用除外としているケースが見られます。しかし、「実際にはあるのに気づいていない」ために除外しているケースも多いと思われます。最近、審査機関 はこのような視点で、除外の適切性を確認しているようです。貴社が起こす施工図面で工事の仕様が確定するのであれば、設計・開発は除外にあたらない可能性 があります。
正確には、貴社の審査機関の見解を確認してください。
Q2 ISO9001を取得しようとしている印刷会社ですが、要求事項7.5.2の「プロセスの妥当性確認」について、適用から外して良いものかどうか判断に迷っています。
A2 少々長くなりますが、弊社のコンサルティングを例に説明します。
7.5.2の除外を適切と判断するのは、製品を監視・測定(検査)により検証でき、かつ不具合があったとしても、製品が使用される前にその不具合が顕在化 し、結果として製品要求事項を満たす製品だけが顧客に提供できる場合です。 このことに対して不安があれば、除外しないことをお勧めします。
例えば、大量印刷の不具合を、抜き取り検査で検出できずに納品してしまったら、おそらく印刷物が利用者に配布されてからでないと不具合は分からないでしょ う。したがって、プロセスで品質保証をすることが重要になると考えます。 印刷業の場合は、印刷工程が妥当性の確認を要するプロセスに該当するでしょう。工程で制御しているインク量、水分量の値などが管理基準の一例です。
Q3 ISO9001の更新審査では、どんな点が審査されるのですか?
A3 更新審査も、審査制度上は新規の登録審査と同じです。したがって、全ISO要求事項を見ることになります。また、審査機関によってはあらためてマニュアルレビューを行うケースもあります。 特に更新審査特有の項目としては、

  • ISO導入の初期目的の達成状況
  • システムの維持効果としての定量的特性の推移
    (苦情件数、社内不良率、その他品質に関する指標)
  • システムの変更、改善事項
  • 過去3年間の品質目標の達成の状況
  • マネジメントレビューの実効度合い
  • 内部監査の信頼性、充実度

などがあります。 つまり、品質保証の向上、顧客満足の向上、システムの継続的改善について有効性が得られたか(経営に役立っているか)が更新審査特有のポイントです。 ただし、審査機関や審査員によっても内容は異なることをお含みおき下さい。

Q4 ISO9000:2000「品質マネジメントシステム-基本及び用語」は修正され、ISO9000:2005として発行されたと聞きましたが、自社の品質マニュアル等へ影響はありますでしょうか?
A4 ISO9001:2000の“2.引用規格”で は、JISQ9000:2000「品質マネジメントシステム-基本及び用語」(ISO9000:2000と一致)を引用規格として規定しています。ただし 条文で「この引用規格は記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって、その後の改正版・追補には適用しない」(下線当社)となっておりますので、ISO9001:2000に基づいた品質マニュアルに影響はありません。
Q5 ISO9000:2005の修正内容を教えてください。
A5 代表的には「力量」に関する修正です。 ISO9000:2000では力量を「知識と技能を適用するための実証された能力」と定義していました。 ISO9000:2005は、教育、訓練の力量と監査のための力量に区別し、前者を「知識及び技能を適用するための実証された能力」とし、後者を「実証された個人的特質、並びに知識及び技能を適用するための実証された能力」(下線当社)としています。
Q6 6.2.2「力量、認識及び教育・訓練」では、「製品品質に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量を明確にする」と要求されています。わが社では、「スキル一覧表」というもので、個人別に担当作業を○△×で評価していますが、これで十分でしょうか?
A6 6.2.2の要求事項は、その前の6.2.1と ペアで解釈すると良いでしょう。 ※6.2.1「製品品質に影響がある仕事に従事する要員は、関連する教育、訓練、技能及び経験を判断の根拠として力量があること」 貴社では力量がある状態を「○」とされているのだと思いますが、必要なのは、その作業で、何ができれば良いかを決め(必要な力量を明確にする)、それらが どんな教育、訓練、技能及び経験により満たされるか(判断の根拠)を明確にすることです。 例えば、食品原料Xから有効成分Yを抽出するという工程作業に必要な力量は、「食品衛生の知識」「細菌の知識」「設備の操作」だということを決めて、次 に、「食品衛生の知識」はこんな勉強と訓練をすれば満たされ、「細菌の知識」はこんな勉強と経験年数で満たされ、「設備の操作」はこんな技能と経験年数で 満たされるということと、その裏づけを明確にすることが内容になります。
Q7 要求事項7.5.2(プロセスの妥当性確認)を適用しなければならないプロセスについて、どのように考えればよいのでしょうか?
A7 仕出し弁当業の例で考えてみましょう。主要プロ セスを次のようなものとします。 予約管理→製造計画→仕入れ→製造(炊飯→調理→盛付け)→配送 仕出し弁当は、注文通りの弁当が、指定された時間に指定された場所に届いていなければ、要求事項を満たしたことになりません。したがって、予約管理のプロ セスが適切でなければ、時間と場所に関する要求事項が担保できないので、このプロセスは7.5.2の適用プロセスとなるでしょう。また、弁当は提供されて はじめて料理としての要求事項を満たしているか否かが判断されるので、製造プロセスも7.5.2の適用プロセスとなります。プロセスアプローチで業務をと らえると、7.5.2は考えやすいと思います。
Q8 ISO9001を取得している食品製造業です。最近の不祥事をみると、これまであまり重要に感じていなかった7.5.1 f)項をどう考えたらよいのか悩んでいます。
A8 7.5.1f)は、「リリース(次工程への引渡し),顧客への引渡し及び引渡し後の活動が規定されたとおりに実施されている」ことに関する要求事項です。
ご質問に関連する事件には、
・残った原材料のリリース後の処分
・顧客に引渡し後の売れ残り品の処理
などの問題があると考えます。
したがって、こうした点について規定され実施されていることが必要になるでしょう。