県内景気動向調査(2021年1-3 月実績、4-6月見通し)
― 県内景気は後退している ―
【現状判断】
今期(2021年1-3月)の県内企業の景況判断BSIは–35.8の「下降」超。 コロナ禍後、初の「上昇」超となった前期(2020年10-12月)から一転、再び大きく落ち込んだ。コロナの再拡大と3度目の緊急事態宣言により景況が悪化したことから「県内景気は後退している」。
【見通し】
来期(4-6月)の景況見通しBSIは6.2で「上昇」超。緊急事態宣言明けやGoTo再開への期待など好材料はあるものの、楽観的な見方は少なくなっている。
【業種別概要】
n 観光関連 〔 「下降」超、見通しは「上昇」超も限定的 〕
1-3月期のBSIは–68.4で「下降」超。2020年12月からGoToが停止となっているほか、県独自の緊急事態宣言もあり、景況が再度、一気に後退した。先行きは12.3と「上昇」超だが、市況に対する警戒感が根強く、上昇幅は限定的となっている。
n 建設・不動産関連 〔 建設は実績、見通しともに「下降」超、不動産は「上昇」超 〕
月期のBSIは、建設業–25.7で「下降」超、不動産業等3.1で「上昇」超となっている。感染症拡大の影響による工事延期などで業界全体で売上、利益ともに落ち込んだ。統計上では回復傾向が見られるものの、先行きの不透明感がより強くなっている。
n 消費・サービス関連 〔 全体として「下降」超 先行きは上向き 〕
1-3月のBSIは、全体的に「下降」超で、下降幅も大きくなっている。緊急事態宣言による観光客需要減退のほか、県民需要においても行楽やイベント自粛等により、関連する需要が減退している状況が続いている。
【資本金別・地域別概要・売上先マーケット別】
n 資本金別
・ 1-3月期の景況は、資本金規模に関わらず、全体として「下降」超となっている。
・ 4-6月期の見通しは、5000万~1億円で「下降」超となっている。1億円以上が34.4で、上昇幅が大きくなっている。
n 地域別
・ 1-3月期は全地域で「下降」超となっている。
・ 4-6月期の見通しは、南部のみ「下降」超。その他の地域では「上昇」超となっている。
n 売上先マーケット別
・ 1-3月期の景況は、売上先マーケットに関わらず、全体として「下降」超となっている。
・ 4-6月期の景況見通しは、海外売上20%以上のみ「下降」超。その他はすべて「上昇」超となっている。
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《本調査の問い合わせ先》
株式会社海邦総研 (担当:地域経済調査部 瀬川、当銘)
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