県内企業における消費税増税に関する調査
県内企業における消費税増税に関する調査
― 消費税引き上げによる会社の業況については「変わらない」が4.5割 ―
県内企業の消費税増税に関する調査を実施しました。その結果をご報告いたします。
【調査概要】
消費税引き上げに伴う業況への影響について、業況が「良くなる」と回答した企業はわずかで、多くは「変わらない」、「悪くなる」という見通しとなった。税額引上げ分の商品・サービス価格への転嫁は、6割の企業で「すべて転嫁できる」ものの、残りの4割の企業では、一部あるいは全く転嫁できないという結果となった。消費税増税に向けては、「会計・経理システムの変更・見直し」や「販売価格の値上げ(交渉)」に取り組む企業が多い一方で、「準備していない」企業も多く見られた。軽減税率やキャッシュレス決済のポイントバック制度については、およそ半数が「分からない」としており、制度の複雑さに企業の理解が追いつけていない状況が垣間見えた。
■ 10月の消費税引き上げに伴う業況への影響について、業況が「良くなる」は1.7%(6社)となった。一方、「変わらない」は45.0%(156)社、「悪くなる」は31.7%(110社)となった。「悪くなる」が多かった業種は、飲食サービス業50.0%(5社)、旅行・宿泊業41.7%(10社)、医療・福祉40.9%(9社)、製造業38.1%(16社)となった。
■ 消費税額引上げ分の商品・サービス価格への転嫁について、「すべて転嫁できる」は63.7%(221社)、「一部は転嫁できる」は21.6%(75社)。一方「全く転嫁できない」は6.9%(24社)となった。業種別では、製造業、情報通信業、卸売・小売業で、「すべて転嫁できる」が多くなった。
■ 消費税引き上げに向けた準備としては、「会計・経理システムの変更・見直し」28.0%(97社)が最も多く、次いで、「販売価格の値上げ(交渉)」24.5%(85社)、「業務の効率化」19.6%(68社)と続いた。一方、「準備していない」が29.1%(76社)に上っている。
■ 軽減税率に対する考えを尋ねたところ、「分からない」が45.5%(158社)で最も多かった。「賛成」は29.1%(101社)、「反対」は23.9%(83社)となった。
■ キャッシュレス決済のポイントバック制度について尋ねたところ、「分からない」が53.6%(186社)で最も多かった。「賛成」は23.3%(81社)、「反対」は21.9%(76社)となった。
※本調査は、2019年3月に実施した、県内企業景気動向調査における特別調査項目として行ったものである。
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《本調査の問い合わせ先》
株式会社海邦総研 (担当:地域経済調査部 瀬川)
〒900-0015 那覇市久茂地2-9-12-4F TEL:098-869-8724
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