県内景気動向調査結果(2023年4-6月実績、7-9月見通し)
― 県内景気は緩やかに回復している ―
【全体概要】
現状判断
今期(2023年4-6月)の県内企業の景況判断BSIは19.5で「上昇」超。コロナの5類移行により、県民消費や観光需要が回復しており、経済活動がより活発化していることから、「県内景気は緩やかに回復している」。
来期(7-9月)の景況見通しBSIは29.2で「上昇」超。観光繁忙期への期待も大きい。ただし、原材料高騰や人手不足が顕在化しているだけでなく、感染症の拡大や、世界情勢不安など注視すべき事柄も多く、下振れリスクが大きい状況が続く。
【業種別概要】
観光関連 〔回復強まるものの、人手不足が大きな課題 〕
コロナの5類移行や旅行支援継続などにより入域観光客数が回復。景況BSIは31.0で「上昇」超。ただし、人手不足や競争激化、仕入れ価格の高騰による価格転嫁など課題が多く、経営環境は厳しい状況となっている。
建設業 〔 上昇」超続くも幅は縮小、資材高騰で利益は「下降」超 〕
建設業の今期(4-6月)の景況判断BSIは1.4となり、前期(1-3月)10.9に続き「上昇」超を維持した。他方、「上昇」超幅は前期と比べて縮小していて、景況回復の動きに一服感がみられる。
卸売・小売業 〔 回復傾向。さらなる価格転嫁が示唆される 〕
卸売・小売業のBSIは21.5で「上昇」超。アンケート結果では、県内市場および県外市場(主に観光客)が改善している一方、仕入れ価格BSIが64.6と引き続き高く、経常利益を圧迫している。
飲食サービス業 〔「上昇」超も、仕入れ値高騰に振り回される企業多く 〕
飲食サービス業は25.0で「上昇」超。市場全体として回復傾向にはあるが、人手不足や仕入れ価格の上昇により、経常利益が下降している。
【雇用】
従業員数〔労働需要は引き続き高止まり 〕
4-6月期の従業員BSIは48.2で大きく「不足」超。いずれの業種も人員が余剰する状況はほとんど見られず、大幅な「不足」超となっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《本調査の問い合わせ先》
株式会社海邦総研 (担当:地域経済調査部 瀬川、当銘)
〒900-0015 那覇市久茂地2-9-12-4F TEL:098-869-8724
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・