県内景気動向調査(2022年7-9 月実績、10-12月見通し)
― 県内景気は緩やかに回復している ―
【全体概要】
◼ 現状判断
今期(2022年7-9月)の県内企業の景況判断BSIは21.6で「上昇」超。各種イベントが再開したり、観光客が戻り始めたりしたことなどで、県内外の需要が回復していて、広く産業を下支えしたことから「県内景気は緩やかに回復している」。
来期(10-12月)の景況見通しBSIは8.5で「上昇」超。ただし、足元では円安の進行や仕入れ価格高騰による利益圧迫、感染第8波への懸念など、依然として下振れリスクが多い状況が続く。
【業種別概要】
◼ 観光関連 〔 観光は大きく上向くも、人手不足、単価向上など課題が山積 〕
⚫ 相次ぐ台風襲来や再度の感染拡大があったものの、「行動制限無し」の夏休みで、7-9月期の旅行・宿泊業のBSIは73.5と大きく「上昇」超。人手不足、単価回復が大きな課題となる中、10月からの全国旅行支援策にも期待が集まる。
◼ 建設・不動産関連 〔 建設は「下降」超、非居住用の落ち込み続く 〕
⚫ 7-9月期のBSIは、建設業が-1.5、不動産業等が14.3と、両業種の景況感は分かれた。持ち家やマンションの着工は前年比で増えているものの、アパートの落ち込みが大きい。用途別で見ても、非居住用は前年比、前々年比で大きく落ち込んでいる。資材高騰に伴う利益圧縮を懸念する企業も多い。
◼ 卸売・小売、飲食サービス 〔「上昇」超も 飲食の見通しは大きく下降 〕
⚫ 7-9月期 BSIは卸売・小売業が28.0、飲食サービス業が33.3で共に「上昇」超。行動制限が解除されたことによるイベント催行の再開や、観光回復による消費下支えなどで、全体として回復した。ただ、飲食サービスの見通しは大きく下降。
【雇用】
◼ 従業員数〔 従業員数は人手不足感が強まる 〕
⚫ 7-9月期の従業員BSIは41.0で大きく「不足」超となっている。全体として「不足」超で、特に情報通信業、旅行・宿泊業、その他のサービス業、建設業、医療・福祉などで大きく「不足」超となっている。
◼ パート・アルバイト〔 臨時・パートは若干増加 〕
⚫ 7-9月期の臨時・パートのBSIは0.7で若干「増加」超となっている。その他のサービス業、情報通信業、製造業などで「増加」超となっている。飲食サービス業、医療・福祉などで「減少」超となっている。
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《本調査の問い合わせ先》
株式会社海邦総研 (担当:地域経済調査部 瀬川、当銘)
〒900-0015 那覇市久茂地2-9-12-4F TEL:098-869-8724
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